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ダマスク

ベーシック展示からお気に入りドレスの紹介などしてみようと思います。

過去にどんなブログを書いたか、ばんばん忘れるのですが
これはまだ書いたことがない・・はずです。

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アレキサンダー・マックイーンのイヴニング・ドレス(1999年)です。

植物かなにかが密生しているようなトゲトゲと丸いシルエットが印象的な作品ですが、
素材(布)にも注目です。

キャプションには「シルクダマスク」と書いてあります。

シルク=絹はいうまでもなく、蚕の繭からつむがれる動物性の繊維です。
中国で古来より生産されていましたが、シルクロードを渡って地中海世界にもたらされ、しだいにイタリアやフランスでも生産がはじまります。

じゃあダマスクとはなんぞやといいますと、織物の種類です。
絹のものは日本でいう緞子にあたります。浮き出たような紋様が美しいです。
ダマスク織という名称は、中世に大都市として栄えたダマスクス(現在のシリアの首都)に由来します。もともとはイスラム世界の織物でしたが、ヨーロッパに流入し、各地で編まれるようになりました。当館所蔵の18世紀フランスの宮廷衣裳「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」にもシルクダマスクのものがあったりします。

中国出身の絹がイスラムの織物に変身しヨーロッパに渡り
時を経てその子孫がイギリスのデザイナーに見初められ
縁あって今では日本の美術館に就職
・・とよくよく考えると一着の作品にも世界がぎゅっとつまっているようですね。
こんなところもファッションのおもしろさかなと思います。

ぜひ展示室で全身を、間近でご覧ください。

めP