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ライブラリーより 書籍のご紹介

みなさまこんにちは。
今日は、神戸ファッション美術館3階ライブラリーにある書籍をご紹介します。


怖い絵」(3404/KOW/1・2・3

怖い絵」(中野京子著)シリーズです。
少し前に話題になった本なので、ご存知の方も多いかと思いますが、
「西洋絵画は分からないからとっつきにくい」という人にぴったりの本ですeyeshine

タイトル通り、有名な画家が描いた「怖い絵」を紹介しているのですが、
ここで言う「怖い絵」とは、「別に恐ろしいとも怖いとも捉えられていなかった作品の中に―画面には何ら恐怖を感じさせるものは見当たらないし、描き手もそんなことは目指していないにもかかわらず―実は慄然とする秘密が隠されている」絵のことです。
ただ単純に「怖いものが描かれた絵」より、よほど恐ろしい絵ばかりです。

もともとドイツ文学西洋文学史が専門の中野京子さんは、絵が描かれた時代背景や、題材となった神話や聖書の解説、類似絵画との比較を丁寧に行うことで、絵に隠された「慄然とする秘密」をどんどんあばいていきます。
その語りのテンポと分かりやすい解説で、読み手を引き込んでいきます。

しかし、何よりこの本の面白さを支えているのは、中野さんの観察眼です。
シーツの折れ目や皺に沿って、血は生き物が這うようにツツとゆっくり動いてゆく
(アルテミジア・ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』)
色彩は極力抑えられ、背景は闇に沈んでいる。おかげで肌の白さと衣服の赤がいっそう映え、すべての視線が、ひとかたまりになった人物群に集中する。息詰まる緊迫感。恐ろしいことの起こる予感
(ドラクロワ『怒れるメディア』)

絵画をつぶさに見る眼と、それを描写する臨場感のある言葉こそが、この本の面白さの根っこだと思います。
豊富な歴史の知識と、作品を観察する確かな目の両方を持つことが、鑑賞をより豊かなものにするのだと感じました。

芸術の秋ということで、私も最近気になっている画家の知識を深めてみようかなぁともくろんでいますcatfacenotes
みなさまもぜひ、神戸ファッション美術館で開催中の「日本の男服―メンズ・ファッションの源泉」展で、芸術の秋を深めてくださいね◎

imkm

  • 2013/11/08 |
  • 11:01 |
  • ライブラリー
  • fashionmuseum |
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