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日本の男服、準備快調

9月もいよいよ数えるばかりとなり、来月11日からは特別展示『日本の男服―メンズ・ファッションの源泉』が開催されます。その企画担当者として、最近はてんやわんやに追われております。
私の記憶の限りでは、日本では紳士服の変遷を扱った展覧会はおそらくなかったのではないかと思います。それはなにゆえなのだろうか、と考えたのですが、女性服に比して紳士服を時代順に並べたとしても、大して変わり映えもせず面白くないと思われているからではないかと思います。

確かに、今回の『男服展』の展示資料を整理していても、色目は黒、紺、茶色が多いですし、奇抜な形のものなどありません。しかし、胸部から腰部、袖口などに金モールを配した大礼服や軍服、爵位服などのシックでモダンでありながらも煌びやかさを湛えた姿には、微塵も地味さはありません。いま私たちが背広やスーツと呼んでいるラウンジ・スーツも、時代によって素材や仕立て、襟や裾の形にもバリエーションがあって、一見同じように見えながらこれほどまでに異なるのか、とあらためて感じ入ります。
そして、実のところ、歴史的変遷というものを、時代を追って目で確認できるものは、紳士服にしかありません。18世紀末から19世紀初頭にかけて、西洋で形成されたフロック・コートを起点として、テイル・コート、モーニング・コート、ディナー・ジャケット、そしてラウンジ・スーツと、すべてが歴史的につながり、そのつながりは形式として袖口や裾、襟元などに受け継がれているのです。

さらに今回は、大礼服や軍服、礼服、背広といった流れに加え、日本において既製服ファッションの黎明期である1960年代を代表する二つのブランド、VANとエドワーズもご紹介します。VANは言わずと知れたアメリカ東部の学生スタイルであったアイビー・ルックの発信源ですが、それに対してエドワーズはイタリアン・テイストを取り入れたコンチネンタル・ルックを浸透させました。

現在、展示作業に向けての準備を進めているところです。
ぜひこの機会に、日本の紳士服の来し方を目の当たりにしに来てください。

コンチネンタル・ルックのエドワーズの服たち

MOMO