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9月1日講演会「乙女の憧れ~抒情画にみる夏のよそおい~」

特別展示「涼をよぶロマンキモノ展―夏の愉しみ―」も残すところ、1カ月を切りました。
9月1日(日)には、展覧会関連講演会「乙女の憧れ~抒情画にみる夏のよそおい~」を開催いたします。

講演会:「乙女の憧れ~抒情画にみる夏のよそおい~」
大正から昭和にかけての女性ファッションの流行は、『婦人倶楽部』や『少女画報』などの雑誌に抒情画家たちが描いた女性像が牽引していました。この講演では、本展で再現展示を試みる高畠華宵をはじめ、竹久夢二や蕗谷虹児など当時人気を博した画家たちの作品から、女性たちが憧れを抱き、髪型や化粧、着こなしの参考にした夏のよそおいを紹介します。

日時: 9月1日(日)14時―15時30分(13時30分開場)

講師:田中 圭子(京都造形芸術大学専任講師)

会場:神戸ファッション美術館4階セミナー室

事前申込不要・参加費無料

当時の雑誌にみられる、抒情画家の描いた麗しき女性たちのよそおいから、今の着こなしのヒントも伺える貴重な機会です。
皆さまのお越しをお待ちしております。

『風立ちぬ』

巷では賛否両論あるようですが、私は完全にヤラれました。見事に胸を撃ち抜かれました。何にかというと、『風立ちぬ』です。

公開から早や数週間。いつ観に行こうかと思っていたところ、つい先日、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で宮崎駿監督の特集をしていて、それを見ながら居ても立ってもいられなくなり、公休日の昨日、観に行ったのです。行動がベタですね。

オープニング早々、二郎が夢の中で飛行機を飛ばすシーン。その飛行機の色と山や空の色、朝日の色とに、一瞬で心奪われました。瞬殺でした。「うわぁ~」と声なき声を上げて、一緒に空を飛んだ気になってしまいました。

以降、まだご覧になっていない方に失礼にならないように、話の筋にはできるだけ触れませんが、いくつか感想を述べさせていただきます。

まずは、色の美しさに目を奪われました。空の色、それも日本の空とヨーロッパの空、現実の空と夢の中の空など、実に多彩な空が表されています。私としては、一銭蒸気に乗るシーンの夕間暮れの紫と茜の混じる空と水面に、なんとも言えぬ抒情を感じました。

次に、飛行機。最初に二郎の夢の中で飛ぶ飛行機にはじまり、カプローニによる Ca.60 トランスアエロなど、空を飛ぶ夢に憑かれた人々が作りだした“イカロスの翼”の数々が、この上ない愛情をこめて描かれています。ユンカースG.38のジュラルミンの機体のピカピカ感には、思わずあんぐりと口を半開きにしてしまいました。

音響効果も面白かったです。事前に飛行機のプロペラ音や車のエンジン音は人の声だと聞いていたのですが、それだけではなく随所に人の声が使われていて、これが今までにない音響世界を創り上げていました。「ぶるるるるるる」とか「もおぅぅぅぅぅんん」、「ぼぅわぁぁん」などが、幾層にも重ねられて、不思議な効果を生んでいたように感じます。

セリフ回しも粋でした。祝言のシーンの口上のやりとりもグッときましたが、序盤に主人公の二郎とヒロインの菜穂子の列車での出会いのシーンにも。
“Le vent se lève”と言葉を投げる菜穂子に、戸惑いながら“ il faut tenter de vivre”とつぶやく二郎。もちろんこれは、本作のタイトルにもなっているヴァレリーの詩の言葉です。堀辰雄による訳では「風立ちぬ、いざ生きめやも」ですが、この後節がこの作品のキャッチコピーである「生きねば。」なのでしょう。

そのほかにも、いろいろと目を見張るところも山ほどありましたし、何度も涙を流しましたし、観終わった後すぐにでも、もう一度観てみたいと思う作品でした。というよりも、一度だけではまったく未消化ですので、観なければならないと。

映画を観ながら、「あれ?このシーンは過去の宮崎作品のあのシーンのようだ」と感じたところも多々ありました。ナウシカやラピュタ、千と千尋、もののけ、ポニョまで。その度に「このシーンは、宮崎監督自身の原風景のようなものなのかもなぁ」と思っていました。
そういう意味では、1982年の『風の谷のナウシカ』のコミックから、本格的にはじまった宮崎駿の創作活動の、一つの到達点でもあるのかなと思ったり…

巨匠といわれる映画監督の中には、一般には不可解だと言われる作品を、ふと創る方がいらっしゃいます。それは時として賛否両論を巻き起こし、巷を困惑させたりします。フェリーニの『8 1/2』、黒澤明の『夢』、北野武の『TAKESHIS’』などなど。これらはいわば、“監督の、監督による、監督のための映画”ではないかと。で、『風立ちぬ』もまた、そういう映画なのではないかなと、考えてみたりしています。

MOMO

  • 2013/08/29 |
  • 15:17 |
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特別展示「日本の男服―メンズ・ファッションの源泉―」

特別展示「日本の男服―メンズ・ファッションの源泉―」展のお知らせです。

日本の男服―メンズ・ファッションの源泉―
2013年10月11日(金)~2014年1月7日(火)
休館日:水曜日、年末年始(12月29日~1月3日)

主催:神戸ファッション美術館
企画協力:神戸ブランメル倶楽部
協力:一宮市博物館、兵庫県洋服商工業協同組合、有限会社石津事務所、株式会社エドワーズ、スキャバル ジャパン株式会社、エフティアイエンタープライズ、石田洋服店、くろすとしゆき、畑埜佐武郎、里見高行
展示協力:大阪樟蔭女子大学
後援:産経新聞、Kiss FM KOBE

江戸から明治になって間もない1872年、時の政府は太政官布告を発して文官大礼服を制定し、以降日本の服制は洋装に改められました。それに先立った幕末の頃から、近代的な軍隊の整備に取りかかった各藩は、調練に際して洋服に近い筒袖や細袴といった上下二部式の衣服をそれぞれ導入していました。そのような格好が維新の波に乗って次第に増え始め、やがて国を挙げて洋装への移行をおこなったのでした。 
服制の制定以降、軍服や制服、学生服といった正装のかたちで洋装化は進み、国家の中枢部のみならず一般にも広がっていきました。その流れの中で背広は、都市における仕事着として、あるいは略式の正装として着用されるようになっていったのです。 
そのような正装としての洋装から一転し、戦後しばらくすると若者たちを中心に、それまでとは異なる着こなしでお洒落そのものを楽しむ傾向があらわれます。1960年代に、アイビー・スタイルを打ち出したVANや、ヨーロピアン・モードを取り入れたエドワーズが登場し、いよいよ日本における本格的なメンズ・ファッションの時代が到来したのです。 
特別展示『日本の男服―メンズ・ファッションの源泉』は、明治初期の文官大礼服にはじまり、明治・大正・昭和期の軍服や礼服、平服、さらに男服の流れを大きく変えたVANやエドワーズの衣服やノベルティなどの資料の展示を通じて、洋装化のはじめからメンズ・ファッションの形成へといたる、日本の男服の変遷をご紹介します。

 

詳細はホームページをご覧ください。
日本の男服―メンズ・ファッションの源泉―

 

神戸ファッション美術館

  • 2013/08/29 |
  • 14:10 |
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