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クリーニング

ただいま今年10月に開幕する『日本の男服 ―メンズ・ファッションの源泉―』展の準備を進めています。この特別展では、明治時代の日本の洋装化黎明期からはじまり、“メンズ・ファッション”が萌芽する1960~70年代までに焦点をあてた、男服をテーマとした展示をおこないます。
そちらで展示する予定の資料のなかに、VANでアイビーやトラッドの仕掛け人として企画に携わっておられたくろすとしゆき氏からご寄贈いただく衣装が含まれています。くろす氏からは、ご自身が所蔵されていた衣装や小物、アイデア・ソースにされていた書籍や雑貨などを多数頂戴する運びになっており、現在、整理の作業を進めています。

その資料の一部にあまりコンディションの良くないものがあり、そのままでは展示することも適わないと判断されるものが数点あったため、クリーニングをお願いすることにしました。そこで今回、神戸ブランメル倶楽部の集まりでも存じ上げていることもあって、カワキ屋の石崎さんにご相談することにしました。

石崎さんにお伺いすると、カワキ屋の創業は1901年だそうで、創業100年以上の老舗クリーニング店になります。創業の地は広島とのことですが、1914年に神戸に進出したそうです。当時は既製服などもちろんなく仕立服しかない時代です。神戸は近代洋服発祥の地とも言われ、また阪神間の地域は名士も多いことから、洋服のクリーニングにもこだわりのある方々も多かったのではないでしょうか。そんなことからカワキ屋は洗い方や仕上げについて長年研究と研鑽を重ね、今もその姿勢は失わないと、石崎さんは語ります。
ただ最近では、料金の安さを競う傾向も強く、そのような市場の在り方との整合性をとるのが難しいともおっしゃっていました。

昨日、夙川の工場にお伺いして、今回クリーニングをお願いすることになった衣装数点について、職人さんたちを交えながら入念にそれぞれその対処法をご相談して作業の方針を定めました。
石崎さんは「緊張しますね」と笑いながらも、最後には力強く「お預かりします」との言葉をいただきました。

MOMO