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『ファッション学のすべて』

今回は手前味噌でしかももはや絶版となっている『ファッション学のすべて』のお話しをさせていただきます。
実はこの本は、私がはじめて執筆した原稿が活字となって世に出た本です。編者は恩師の鷲田清一先生で、たくさんの錚々たる方々が書き手として参加されています。その一隅をにぎわすような感じで、5本の短文を掲載していただきました。
本の出版が1998年、神戸ファッション美術館の開館が1997年。当時、大わらわのなかでなかなか原稿が出せず、編集担当の方に大迷惑をおかけしたことが思い出されます。

当初、鷲田先生から、「広い意味での“ファッション”を総覧できるような、人物とコラムから構成された本を考えているのだけど、誰か面白いと思う人の案を出して」と言われて、思いついた名前をいくつかお知らせしました。そうすると、「じゃあ、書いて」という話になり、私は4名に関する文章と、『音楽とファッション』というテーマで書かせていただきました。

いま見直すと、私が取り上げた4名は、ファッションの本からすればちょっと変わった選定だったような気がします。今なら自分でも選ばないだろうなという思いもしますが、当時はこの人たちこそが、実は“ファッション”のサブストリームをつくっていると考えていたような記憶もあります。
その4名は、次の通りです。

まずは、マルコム・マクラーレン。ミュージシャンとしての顔を持ちますが、なんといってもヴィヴィアン・ウエストウッドとともに、パンク・バンド〈セックス・ピストルズ〉をプロデュースし、一躍スターダムに押し上げたことが功績でしょう。

次に、ジャン・バティスト・モンディーノ。マドンナやプリンスといった超有名ミュージシャンのビデオクリップも手掛けた映像作家で、この本が出た当時、私が心酔していた人です。ちょうどそのころ彼は、ジャン・ポール・ゴルチェ・パルファムのすごくかっこいいCMなども手掛けていました。

その次が、YMOです。言わずと知れた、イエロー・マジック・オーケストラ。と言っても最近の若い方は知らないかもしれませんが、1978年に小学校の私が思いきり衝撃を受けたテクノ・グループです。メンバーは、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一。音楽ももちろんですが、彼らがステージで着た人民服に小学生の私はとても憧れたものです。あと、お笑い番組『オレたちひょうきん族』にも〈トリオ・ザ・テクノ〉という名で出てました。

そして、いま思えばこれが相当変わったセレクトだと自分でも感じるのが、ファキール・ムサファーです。この人はピアシングやタトゥーなどの身体加工の達人とでも申しましょうか、かなりインパクトが大きいです。当時は〈モダン・プリミティヴ〉という言葉がサブカルチャー雑誌なんかでちらほら語られていました。つい先ほど久しぶりに気になってGoogleで検索してみたら、まだまだ現役でがんばってらっしゃるようで、うれしくなります。

この本が出てから14年。ファッションを取り巻く環境やその世界を構成するメンバーも大きく様変わりしました。いまもし「誰か面白いと思う人の案を出せ」と訊かれたら誰の名前を挙げようか、などとふと考えてみたりしています。

MOMO

  • 2012/12/13 |
  • 10:28 |
  • ファッション
  • fashionmuseum |
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