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バリのバロン・ランダ劇とバットマンスーツ

今日7月17日は関西地方も梅雨明け、そして京都の夏を告げる祇園祭のクライマックス「山鉾巡行」が行われました。今年の祇園祭は、順番の変更、大船鉾が142年振りに復活するニュースなど、盛りだくさんでしたね。そもそも鉾と山の役目は厄神を集めて、京都から追い出すためのものですよね。だから、巡行が終わると即解体します。
 これからは芸能の島として知られているインドネシアのバリ島のお話です。バリ・ヒンズーと言われる独自の宗教観に基づいた数々の伝統舞踏と音楽は観光客を絶えず魅了しています。中でも「バロン・ランダ劇」という演劇は、バリ・ヒンズーの宇宙観を見事に表している代表作です。魔女ランダと聖獣バロンの戦いは永遠に終わりがなく、勧善懲悪でないので、勝者も敗者もないのです。正と邪も無いのかもしれません。当然演じているのは人間です。ただ、彼らは魔女に化身し、バロンに化身します。演じていない時は、バロンもランダも大事に保管され、決して人目に晒されたりしません。バロンの顎髭などは触ることさえ許されていません。衣装ではなく、神そのものなのです。最初、当館にはランダしか収蔵していなくて、片方だけでは宇宙のバランスが壊れるので展示不可でした。直ぐに入手を試みました。日本に収蔵されているバロンの多くは、舞踏団が帰国する際、置いて帰ったものです。タイミング良ければ可能性あるのですが、そんな話はそうありません。
いろんなルートで探しているうちの、京都でジャワ更紗の工房を営まれているイシスの石田加奈さんに話が伝わりました。石田さんのバリの工房の近くに新規で革細工(バロンも多くは牛革の加工品)のお店が、看板用に素晴らしいバロンを作ったらしいという話をいただきました。まだ神様になっていないバロンですが、魂抜く必要がないので、安心して展示できます。石田さんにご尽力いただき、当館にとっても素晴らしいバロンはやってきました。ただ、ランダが何十年も生きたベテランなのに対し、新参のもんのバロンで、太刀打ちできているかは心配です。2001年以来の登場です。お楽しみください。
 もう一つ、化身(変化)衣装の話です。7月28日よりクリストファー・ノーラン監督版「バットマン」3部作の最終話「ダークナイト ライジング」が封切りになります。とても素敵なコスチュームです。元をただせば、ティム・バートンの「バットマン」(1989年)で生み出されたバットマンスーツは革新でした。ウルトラマンタイプやスーパーマンタイプとも全く異なった、ダークヒーローの全てを包み込んだスーツは本当に驚きでした。ウェインはスーツによって、悪党にとって最悪の神の化身に変化したのです。話は違いますが、続編の「バットマン リターンズ」(1992年)のペンギンにも度肝を抜かれました。封切の7月に妊娠中の妻とこの映画を見たのですが(一緒に行った最後の映画です)、見なければよかった今も思っています。(内容知りませんでしたので)長男は7月31日に無事生まれましたが 兎に角、今度のバットマンは最高にカッコいいと思います。28日には必ず映画館に行くつもりです。(BX-16S)