follow me

石塀の道

神戸ゆかりの美術館よりブログ更新です。 

現在「神戸 美しき色彩 ―新収蔵・突々和夫の木版画を中心に―」が開催中です。 

皆さん、もうご覧いただけましたか? 

今回の展覧会で私がオススメする一点を今日はご紹介いたします。 

神戸ゆかりの美術館「神戸 美しき色彩 ―新収蔵・突々和夫の木版画を中心に―」 

写真右の突々和夫《石塀の道》という作品です。 

東灘区の山手方面、香雪美術館さんあたりにあった石塀のある道を題材にした作品です。 

震災で崩れてしまい、今ではきれいに整備されてしまった場所なので、こうして作品として在りし日の面影をしのぶことができるのはありがたいことですね。 

この作品のオススメポイントは3つあります! 

1、青や緑の爽やかで静かな色彩 

 突々さんは、青や緑といった寒色系の色彩を多用しています。 

 深みがあって、なんだか日本画を見るような重厚感がありますね。 

 その色彩が、なんとも切ない気持ちを誘い、幼い頃に見た記憶に残る心象風景のように感じさせるんです。 

 この作品でも、特に右上の樹木や地面に落ちる影に使われていますね。 

神戸ゆかりの美術館「神戸 美しき色彩 ―新収蔵・突々和夫の木版画を中心に―」

2、グラデーションのうつくしさ

 突々さんは、版にのせた絵の具を、そのままベタに紙に摺っているだけではありません。 

 水分を多めに含んだ絵の具を版にのせ摺ると、濃い色味の部分との対比で絶妙なグラデーションができるんです。 

神戸ゆかりの美術館「神戸 美しき色彩 ―新収蔵・突々和夫の木版画を中心に―」 

 例えばこの地面や壁などで、パーっと光が当たるような明るさがありますよね。 

 水分の部分は蒸発し、絵の具の部分だけが残るので、よく見ていただくとこのような独特のぼよぼよとした色面になります。 

 細かいドットのようにも見えますかね。 

3、細かい線の彫り 

神戸ゆかりの美術館「神戸 美しき色彩 ―新収蔵・突々和夫の木版画を中心に―」 

 突々さんは、高校教師として生徒に美術を教える傍ら、夜間や休日を利用して制作に取り組んでいました。 

 この作品の左上部分を拡大したのがこの写真です。 

 細かい縦の線がご覧いただけますでしょうか。 

 明け方眠い目をこすって一生懸命彫られたという渾身の彫りです。 

 この根気、圧巻の一言です。 

*************

細やかな線で絵画としての構図を支え、重厚感のある深い色彩を用いる。 

さらに光や空気を感じさせるような明るさも実現することで、私たち鑑賞者に感動を与えてくれる突々さんの作品。 

この作品が見られるのは、神戸ファッション美術館のすぐ隣りに展示室をかまえる神戸ゆかりの美術館です!! 

3月27日(火)まで開催中です。 

次回のギャラリートークは2月12日(日)11時〜です。 

どうぞ皆さんのお越しを心よりお待ちしております。 

nataco