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日本人として

 今日は神戸ファッションコンテストの最終審査日です。

この神戸ファッションコンテストは毎年行われていますが、今年で38回目になります。

第1次審査を通過した20名の方々が衣装を3点ずつ作り、昨日と今日の2日間の最終審査会に臨みます。

関西だけじゃなく全国各地から集まった学生さんたちや社会人の方々が鎬を削ります。見事、選考された人たちは、フランスやイタリア、イギリスの学校に留学する権利を得られます。参加者の中には、海外での留学経験を足掛かりにして、将来は自分のブランドを立ち上げたいという方もいらっしゃいます。

私もイベントのお手伝いをさせていただいてるのですが、参加者の皆さんを見ていると、今日を迎えるまでの苦心の日々が偲ばれてきます。なかには連日の制作の追い込みで、寝不足が続いているのでしょう。少しの待ち時間に、椅子に座ったまま寝落ちしている人もいます。

海外への留学チャンスをなんとかものにせんと、必死で打ち込んでいる参加者の方々を見ていると、この方々の中から新時代のデザイナーが生まれてきてほしいという期待感も感じます。もちろん実際には21世紀のこれからの時代に、ファッション・デザイナーを生業としていくことは、なかなか簡単なことではないでしょうが。

そんなコンテストの最終審査会に残った方々の自己PRのスピーチを聴いていた時に感じたことがあります。これは何人かの参加者が異口同音で話していたことですが、「日本人であること」という言葉です。「海外に出ていき、日本人であることを見つめなおし、日本人にしかできないようなデザインがしたい」という旨の言葉もちらほらと聞こえました。この「日本人であること」というのは、グローバル化が進んだ21世紀において、より一層重要な視点となることは間違いないでしょう。しかし、この「日本人」ということをどこまで掘り下げて捉えていけるかは、一筋縄でいく作業ではないはずです。

一昨年に神戸ファッション美術館でご講演いただいたデザイナーの原研哉さんは、日本人の美意識について「繊細・丁寧・緻密・簡潔を旨とする」とおっしゃていました。それ以外にも、日本人である利点や日本人らしさについては、様々な見解があるでしょう。神戸ファッションコンテストに臨んだ若い方々が、賞の得失によらず、今後のご自身の末永い課題として「日本」というテーマに取り組んでいかれ、そこから心躍らせるような数々の服を作り出していかれることを、とても期待しています。

MOMO

  • 2011/12/04 |
  • 10:00 |
  • ファッション
  • fashionmuseum |
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