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ファッションと色彩 ―『インディゴ物語 藍が奏でる青い世界』展の開催を前にして―

 6月28日までの『コレクション展 1960-2000年代のファッション サンローランからガリアーノ、マックイーンまで』展とは、趣を異にする次回展、『インディゴ物語 藍が奏でる青い世界』展の開催日、7月14日(木)が近づいてきました。
 展示室も色とりどりであった前回展から、まさに“青い世界”へと変貌を遂げています。
 そんな館内の様子を眺めながら、最近読み終えたある本に取り上げられていた“ファッション・トレンドにおける色彩”の話題を思い返しました。
 その本は、シーナ・アイエンガー著(櫻井祐子訳)『選択の科学』(文藝春秋2010、原書Sheena Iyengar『The Art of Choosing』Twelve 2010.03.01)です。
その第5講“選択は創られる”Ⅱ.流行は創られる(pp179-190)の中で、2008年に著者が行ったThe Doneger Group(http://www.doneger.com/web/231.htm )やThe Color Association of the United States(http://colorassociation.com/ )でのヒアリングから“ファッション・トレンドにおける色彩”に関する事項が触れられていたのでした。
 他にもこの本では、著者の長年にわたる“選択”という行為に対する様々な観点からの考察を通じた、日常における“基準”や“常識”に潜む、社会的・文化的背景とその意義と多様性について触れられています。Financial Times Business Book of the Year 2010にも選ばれた本ですので、機会を見つけて一読されてはいかがでしょうか。

【参 考】
シーナ・アイエンガー( http://www.columbia.edu/~ss957/index.shtml )著(櫻井祐子訳)
『選択の科学』(文藝春秋2010.11.15)(原書:Sheena Iyengar『The Art of Choosing』Twelve 2010.03.01)
目 次
オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由
第1講 選択は本能である
   選択は生物の本能である。なぜ満ち足りた環境にもかかわらず、動物園の動物の平均寿命は短いのか。なぜ、高ストレスのはずの社長の平均寿命は長いのか
第2講 集団のためか、個人のためか
  父は結婚式のその日まで、母の顔を知らなかった。親族と宗教によって決められた結婚は不幸か。宗教、国家、大成の違いで人々の選択のしかたはどう変わるか
第3講 「強制」された選択
  あなたは自分らしさを発揮して選んだつもりでも、実は他者の選択に大きく影響されている。その他大勢からは離れ、かといって突飛ではない選択を、人は追う
第4講 選択を左右するもの
  人間は、衝動のために長期的な利益を犠牲にしてしまう。そうしないために、選択を左右する内的要因を知る必要がある。確認バイアス、フレーミング、関連性
第5講 選択は創られる
  ファッション業界は、色予測の専門家と契約をしている。が、専門家は予測ではなく、単に流行を創っているのでは? 人間の選択を左右する外的要因を考える
第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない
  私が行った実験の中で最も引用され、応用されている実験のジャムの実験がある。ジャムの種類が多いほど売り上げが増えると人々は考えたのだが
第7講 選択の代償
  わが子の延命措置を施すか否か。施せば、重い障害が一生残る可能性が高い。その選択を自分でした場合と医者に委ねた場合との比較調査から考える
最終講 選択と偶然の三元連立方程式
  岩を山頂に運び上げたとたんに転げ落ちるシジフォス。神の罰とされるその寓話で、しかしシジフォスの行為に本当に意味はないのだろうか。人生もまた…

kiuri