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2012年

神戸は三ノ宮の東遊園地の一隅に、『日本近代洋服発祥の地』という石碑があります。

これは1972年の洋装発祥100周年を記念して、神戸洋服工業共同組合の主導により、1974年に建立されたものです。

なぜ1972年なのかというと、そこから遡ること100年前の1872年11月12日に発令された、太政官布告373号によって文官の大礼服が正式に洋装となったのを受けて、その年を日本の洋装化の始まりとしているのです。

当時は黒船来航から大政奉還を経て、日本という国が大きくその形を変えた時期ですが、さまざまな制度や組織が激変する中で、服制(服装の制度)についても、新たな日本のグランドデザインには何が相応しいか、国の中枢部で侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が交わされていました。

私自身が長らく思い違いをしていたのですが、当時は和服vs洋服という二項対立の中で議論が白熱していたのかと思いきや、そうではなく武家の服制(紋付き袴など)と公家の服制(衣冠 束帯など)、さらにそこに洋装が加わっての三つ巴の状況で、議論がなされていたようです。そのような中で前年の1871年に明治天皇から「服制改革内勅」が出されたのを受け、いよいよ洋装化が本格的に始動したのが1872年という年なのです。

その1872年を日本洋装始動の年とするならば、来年2012年は「日本の洋装化140周年」にあたります。そして、当然のことながらその10年後の2022年は、「日本の洋装化150周年」になります。この2012年から2022年の間を「日本の洋装化について考える10年」として、神戸ファッション美術館では今後さまざまな機会を設けたいと現在計画中です。

現代の私たちが当たり前のように受け入れている「服制」が、いつどのように私たちの社会生活に入り込み、広がり、私たち自身を変えてきたのか。その変遷と意味について、これからあらためて考えていきたいです。

MOMO

  • 2011/02/11 |
  • 15:29 |
  • ファッション
  • fashionmuseum |
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