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朝岡康二先生に来ていただきました

昨日、秋季の服飾文化セミナーの第1回目が開催されました。

今年の秋のテーマは、《衣服の余生》ということで、着古した衣服について、様々なご専門の方々にお話をおうかがいします。

第1回のゲスト講師は国立歴史民俗博物館 名誉教授の朝岡康二先生にお越しいただき、『日本の古着』というお話をしていただきました。

日本人が長らく着用していた着物は、洗濯をする度に縫い糸をほどいて、布の状態に戻してから、洗い張りをしていました。このようにかつての日本人の衣装 は、いつでも布に戻るものだったので、一つの衣装が、衣装と布の間を往復しながら、着古した大人用の着物が子供用に仕立て直されたり、もっと擦り切れてく ると、使える布の端切れを集めて別の衣装をつくったりしていたそうです。先生はお話の中で、そんな端切れを集めて作った着物や半纏の画像を紹介されたので すが、その布の組み合わせのセンスの良さは予想を超えていました。それらの作り直されたものの数々からは、布に対する先人たちの思い入れの強さが伝わって きました。
衣装に直すものもあれば、座布団や敷物に直される布もあります。様々な形に生まれ変わる、これらのすべてが《衣服の余生》なのです。

先生には、多岐にわたる話題をご紹介いただきましたが、昨今の古着の活用方法の一つである海外への輸出のお話も、非常に興味深いものでした。
先生のスライドに、名前が書かれたゼッケンの付いた小学生の体操服が映し出されたのですが、それはネパールからの逆輸入品と言うことでした。というのも、 日本から輸出された古着の中に混じってネパールのマーケットで売っていたそうなのです。

普段、私たちは自分の手元から離れた物たちの、その余生をあまり意識することはありません。でも、あなたのもとを旅立った衣服が、思いもかけぬ余生を送っ ていることもあるかもしれないのです。

この《衣服の余生》は、来月と再来月とのあと2回つづきます。次回は、どのような余生のお話が展開されるのか。乞うご期待です。

MOMO