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クールジャパン

今朝、図書館奥の窓際に置いています繊研新聞を入れ替えていて3月30日付の一面に目が留まりました。「草の根ファッションパワー」の見出しで、アニメか ら始まり海外で注目を集める「かっこいい」日本文化を表わす 『COOL JAPAN 』 という言葉が、ファッションの世 界でもその地位をゲットしたという内容でした。

今までファッション業界では見て見ぬふりで切り捨てられてきた感のある等身大の自分を表現するストリートファッション。雑誌Fruitsやネットでそのスナップを見ることが出来るようで、早速いくつかのサ イトにアクセスしてみますと、在ルワアルワ、居ルワイルワ。
何でもアリ感満載な人々がまさにてんこ盛りでした。センター街にはたまに居るかもしれない、でも西宮ガーデンズには決して居ない人々です。

「イキ」と「モリ」

日本文化といえば「引き算」の美こそが、という言われ方をよく耳にしますが、その対極である「モリ」も確かに日本文化だと改めて感じさせてくれるストリー トな人達には、引き算文化の「イキ」とは違う潔さを感じました。ファッションのこだわりとは「自分のポイント」を探し出す行為だと思うのですが、それが引 きながらなのか、足しながらなのかの違いが「イキ」と「モリ」、銀座マダムと天六のおばちゃん、桂離宮と日光東照宮、そして弥生と縄文の違いに現われるの ではないでしょうか。
もうひとつ思うのは「イキ」な引き算が結果だけを見せるのに対し「モリ」文化はその足してゆくプロセスそのものを見せるのが狙いなのではないかという事で す。汗と根性の努力の道をあえて見せながら等身大の自分を見せてゆくところが逆に一見潔い「イキ」よりも更に潔い感じがするのです。

既成の見直し

「クールジャパン」は、基準が「日本」であること、そして常に「自分目線」であることを日本人が再認識したことで生まれた文化が評価された結果だと思いま す。洋服だから当たり前なのでしょうが西洋主導であった「既成」を見直した事で起こり得たのだろうと思います。しっかし、ほんとに日本人にもカッコイイ人 が増えましたよね。

で、その「既成の見直し」を1990年頃には既にやってしまっていた、もっとカッコイイ日本人を紹介するのが今日のブログの本題です。

新着図書コーナーで

いま、3階図書館の新着図書のコーナーで4月16日から1階ファッション美術館で始まる「マダム・グレの世界展」にちなんだ書籍を紹介しておりますが、その中の一 冊「Breaking the Mode」を是非ご覧下さい。本来は 「マダム・グレ」をここで紹介しなければならないのでしょうが、あえて見ていただきたいのは同じ本に登場する90年代に既にカッコよかったYoji Yamamotoの作品です。19世紀のコルセットやSシェイプの為の骨組み、といったドレスの裏方的なものに目を向け、小 学生が博物館で始めて宙吊りの鯨の骨を見たときのような「なんじゃこりゃっ!」という驚きをそのまま表現した様なデザインをRei Kawakubo Issey Miyake と共に1990年に相次ぎ発表しています。
さらに1993年発表のジャケットでは襟の裏芯や身ごろの裏地,補強の為のステッチなど、通常では表に出てこないエレメントをあえてそのままデザインとし て形にしています。それらは全て実際に必要なエレメントであって、必要は無いのにジッパーを付けてみた系の物ではありません。
機能するものの中に美しさと面白さを見出し、裏と表、ハレとケを転換させる。まさに「既成の見直し」ではないでしょうか。

でも、考えてみるに機能するモノの美しさを発見するのはもともと日本人のお家芸なんですね。あえて見せるステッチというのはまさしく刺し子だと思うし、昔 の母親がモッタイナイ精神で継ぎをした当て布の処理にも美しい針目を見つけることが出来ます。裏方を見せるテクニックも、着物の着方に表われています。裾 上げせずに布をタブらせて帯の下から覗かせたり、子供の肩も内側にではなく外側に摘んで寄せているし、おたいこの横から見え隠れする枕など、隠そうと思え ば隠せるものをあえて見せてデザインにしてしまっています。

コルセットやくじらの骨の様なペチコートを日本人が面白がったのと同じように、他から見れば面白い日本的なものを外国人に発見され、更には日本人による日 本文化の再発見があって、それを「自分」に「自分目線」で追加していったところ「クールジャパン」が生れ落ちてきた。。。

そんな事を感じる今日この頃でありました。   Sabu

  • 2009/04/09 |
  • 15:32 |
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