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14年目

1995年1月17日5時46分、未曽有の惨事が神戸を襲いました。

当時、私は芦屋のJR沿いのアパートの2階に住んでいました。
その日はなぜか寝つけずに、朝方になってようやく眠りに就いたその矢先でした。
高いところから落ちる夢を見たかのような感覚に目が覚めました。ところが覚めたはずの現実のほうに大変なことが引き起こっていたのです。

脳は、あまりにも大きな不測の事態を、瞬時に判断することができないのかもしれません。夢とうつつの狭間で、いま自分を取り巻いているこのとてつもない揺れと爆音の正体が理解できず、蒲団から身を起した体勢でただただ茫然としていました。揺れがおさまり、漫画の“シーン”というオノマトペを感じるような静寂が訪れた時、私はようやく我に返り、その状況が地震であるということが理解できたのです。
倒れて“人”の字になった本棚と箪笥の間から外套を引き出し、下駄箱から飛び出して散乱した靴を手探りで探して、暗がりの寒中に走り出ました。

アパートは半壊し、その後に引っ越しを余儀なくされましたが、幸い大事はなく、今もこうして生かしてもらっています。

あれから14年が経ちました。
時の流れとともに恐怖の記憶は少しずつ薄れ、大きな物音がしても総毛立つようなことはもうなくなりました。それでも毎年この日は、敢えてしっかりと思い出すよう自分に課しています。そうすることで、今此処に在ることにあらためて襟を正したいと思っています。

MOMO
神戸ファッション美術館

  • 2009/01/17 |
  • 10:00 |
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