follow me

ミュージアムショップからのつぶやき

ルミナリエが例年通り無事に点灯され、今年もまた神戸が一段と華やかな時を迎えました。
12月ですね。クリスマスのプレゼントもそろそろお決まりの頃でしょうか?贈る相手にぴったりで選ぶ自分も楽しくて、そんなプレゼントを見つけるのって、本当に難しいですね。

贈る相手への想いと自分の外せないこだわり。その融合というか、折り合いを付けたところの究極のチョイスが、要するに「プレゼント」なのだろうと思います。

ところで、この「相手への想いと自分のこだわり」というフレーズ。実は、世界中のデザイナーがスケッチブックやCADに向かいながら一所懸命に心を砕き、日々試行錯誤しているテーマそのものなのでは?とふと感じました。デザイナーの側からの言葉にすれば「使い手への配慮と作り手のオリジナリティ」といったところでしょうか。

作り手から使い手へのプレゼント。デザイナーからあなたへの贈りもの。

こんな風に言い換えると「生産者と消費者」という表現とはまた違った関係が感じられ、全ての商品が魅力あるものに見えてくるから不思議です。

今、3階ライブラリー内にあるショップmuseum in museum では、様々な分野で活躍する若手デザイナーの作品が数多く展示・販売されています。作り手からの熱いメッセージを伝える作品に、大切なあの人への思いがふっと重なる。museum in museumは、そんな瞬間を多くの方に感じて頂ける空間だと思います。

現在の展示されている中での個人的「お気に」はGUM-A-MAMA Leathers KOBE(ガムママレザーズ・コウベ)プロデュースのお財布たちです。

工業製品vsアートの割合が7:3あたりのモノにいつも心ひかれる私は、すっかり一目惚れしてお買い上げ。ちなみに今回は大切なあの人への想いに駆られたのではなく、作り手のメッセージを余すところ無く受け取った結果、自分へのプレゼントということになりましたが。
手にとると、まずしっとりとした革の厚みと暖かさと共にステッチやジッパー等のディテールへのこだわりを感じました。そしてこの作品のバックグラウンドをMr.店長への取材によって色々と知ることになるのですが、このGAM-A-MAMA Leathers KOBEの商品/作品、なんと素材となる革は牛ではなく「馬」なのだそうです。そして「なめし」と呼ばれる大切な工程は姫路で行われているということです。

それでは何故ゆえ「馬」なのか「姫路」なのか。といいますと、
馬の革は牛よりもきめが細かく、例えば断面の美しさにこだわると「馬」の勝ちになるそうです。「姫路」に関しては、神戸の地元だから姫路なのかと思いきや、最高の技術を求めた結果が地元「姫路」だったのだそうです。世界に2箇所しかない技術だそうです。手に取った時感じた「なーんだか他のと違う」感触は、こういうことだったのです。

             

このような、自分が作り出すモノへのこだわりと情熱と、その向こうに見える使い手への想いも評価されたのでしょう。12月12日-21日の期間、パリ・ルーブル宮内フランス国立装飾美術館で、このお財布たちが今の日本を代表するプロダクトとして展示されるそうです。
(「感性ーKansei-」)  
お、 フランス人にも伝わったか、という思いと、自分のチョイスに間違いは無かったという気持ち、そして何より神戸の底力を見た思いでちょっと嬉しい気分です。

一昔前、自国の位置づけの為に言われたGNP( 国民総生産 )という言葉も今やGNCに取って代わられ、文化的魅力度を国力と見る傾向にあるそうです。近年のEUの巻き返しも、そういう背景があっての事なのかもしれません。
そんなヨーロッパで脚光を浴びる姫路の技術の神戸のお財布。1年後、2年後と革の変化と成長を楽しみたいと思います。

museum in museumには、先週また新しい展示が加わりました。次の機会に次の「お気に」の話を聞いてください。(SaBu)

神戸ファッション美術館