follow me

100年前のドレス、50年前の音楽

巨匠(マエストロ)フォルチュニィの夢 2012絹(シルク)見聞録」展も今年は後1か月となってしまいました。見逃すと必ず後悔しますので、早めのご来館をお待ちしています。

本展の代表的な展示物として100年程前のポール・ポワレ、マリアノ・フォルチュニィのドレスがあります。神戸ファッション美術館では2007年に「コルセットをめぐる冒険」、2009年には東京都庭園美術館で「ポワレとフォルチュニィ」展

を開催と、縁浅からずのデザイナーたちなのですが、未だに本当に素敵なデザインだと思います。特にフォルチュニィの普遍的なフォルム、マテリアル、技術は他の追従を許さず、百年前からずっとトップを走っていると言っても言い過ぎでないと思います。1985年東京で初めてフォルチュニィの出会った衝撃は今も私の展示の原点です。服は変わらなくても魅力的なのだと、初めて知ったのです。東京家政大学の能澤慧子先生のチームのデルフォス復元計画に何年も前から名を連ねているのもどうしても本物を着たい、着せたいからです。

私が一番好きなデザイナーはマドレーヌ・ヴィオネです。彼女の作品も既に100年から80年の前のものです。フォルチュニィと違って見事に1点1点異なる魅了満載ですが、普遍的な優雅さ、革新性、そして着る人への愛情が沁みだして比類なきドレスになっています。翻って自分が生きた時代を見ると、60年、70年はジーパン、ミニスカートを知ってちょっと恥ずかしく、80年は驚きの連続、90年代は夢の終わりを感じました、100年後の方々が60年からのファッションをどう評価するか解りませんが、フォルチュニィやヴィオネ程個人を語ることは無いと思っています。

60年代からのデザイナーの才能が無いとは全く思いません。さまざまな流行の中に絶えず革新的仕事を続けたキャパシティは驚くほどのものだったと思うのです。ただ、進歩とは類似でなり、拡張であるなら、新たな驚きを作るには100年前の何倍もエネルギーは必要だったのだと思います。

正しかかどうか自信がありませんが、100年前のファッション市場に類似したものは1960年代の音楽、1980年代のコンピュータだと考えています。コンピュータはその世界に今も関係していないので、触れませんが、音楽は自分が生きた時代に相当変わったのではと考えています。

今年は、ビートルズ、ローリングストーンズ、ビーチ・ボーイズボブ・ディランなどの巨星が揃ってデビュー50年を迎え、話題となりました。私は漸くビートルズの解散に間に合ったような歳ですが、それでもビートルズと言うバンドの活動前と活動後には内外(当時の日本マーケットは小さかったのでしょうが、私はその中でしか動いていませんでした)でも大きく異なっています。昨日ビートルズのLP14枚組(16枚セット)のボックスがドイツから届きました。USアマゾンで買ったのですが、ドイツから来ました。

その2日前にローリングストーンズのGRRRを買いました。7年も活動していないグループと50年間現役バンドを比べるのは意味がないかもしれませんが、どちらも凄いのです。ビートルズのLP全部2枚ずつは持っていますので、今度で3枚目となると思います。50年から43年ほど前の音楽は、皆さんは録音がチープな、今聞くに堪えない録音だと思われるでしょうが、正直聞かせてあげたいです。瑞々しい声、楽器の音はいささかも現代と違いません。レコードの音は、どんなCDやハイレゾの音源よりも遥かに美しいです。20代のジョンやポールが目の前で歌っております。40年前にはこんなこと考えて音楽聴いていませんでした。映画や写真で亡きスターをしのんだりしましたが、レコードでもそれが十分以上に可能なのです。今になったレコードが当時より遥かにいい音で聴けるようになった(庶民は)のです。ベスト盤ではCDとはいえ、ローリングストーンズは、20代から70代のミックの声が聴けます。それも相当凄いことです。

ファッションのことを考えても、アナログは100年前からも技術的な進歩はデジタルほど日進月歩でなく、現代の最高峰とハンデなしに比べられるということでしょうね。自分の勝手な言い分ですが、すごく良い時代に生まれたと思っています。ものごころがついた時には既にビートルズは存在し、生のビートルズを見て、引退でショックを受け、80年のジョンが亡くなった時は、音楽は死んだと思いました。そして、21世紀の今何種類ものLPを聴き比べ、1960年代の空気を再現しているのです。これはファッションにおける100年前、80年前の方々に言えることだと思うのです。若い人は、きっとデジタルの新時代で同様な幸福感を感じると思います。スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツが生きた時代に生まれたことを後から生まれた人々に自慢できる日が必ず来ると思います。

若者は決していつも革新的ではありません、寧ろ保守的です。1970年代私は、好きだったビートルズや吉田拓郎を古い音楽と扱われるが嫌で、デビュー当時の荒井由美もクィーンも激しく攻撃していました。音楽鑑賞倶楽部(物理部)では軟弱な音楽を聴いてはいけないと言い続けていました。今は見事に聴きつづけています。20代の頃の恥じは忘れて、いろいろなものに挑戦して、自分が将来的に好きになるものを探してください。ローリングストーンズのベストと一緒にユーミンの「日本の恋とユーミンと」も買いました。CDもレコードが無いなら聞くしかありません。

レコードと言えば、12月12日に100%ピュアLPのビル・エバンスとソニー・ロリンズのレコードが入荷します。どちらも1950年代です。まだ生まれていない時の演奏を聴けるなんて本当に幸せ者です。殆ど同じ音を聴けると信じています。人に生まれて来てよかったと思うのです。アナログとデジタルの狭間ですが、1959年の映画「ベン・ハー」やブルーレイで購入しました。1981年の「ブレード・ライナー」、1994年「ジュラシック・パーク」、2005年の「スターウォーズ エピソードⅢ」など名だたる高画質なブルーレイと比べても全く遜色がありません。フィルム恐るべきですね。皆さんもブルーレイを購入する際は、すべて高画質ではありません、DVDより酷いものがあります。映画館で見たものであれば、その比較でいろいろ言えますが、初めて見る映画を多いと思いますので、買う前にしっかり調査して本物を文化を掴んでください。間違うと全然違う別の映画を見たことになってしまいますから。

皆さんが今後購入を繰り返すことになりますが、余り物を買わない私が言うのもおこがましいのですが、いいものを、本物を最後に掴んでください。それまで失敗は財産だと思って頑張ってくださいね。

(BX-16S)

この記事のURL

http://fashionmuseum-blog.com/100%e5%b9%b4%e5%89%8d%e3%81%ae%e3%83%89%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%80%8150%e5%b9%b4%e5%89%8d%e3%81%ae%e9%9f%b3%e6%a5%bd

TrackBack URL

この記事へのトラックバックURL
(※トラックバックは承認制となっております)

http://fashionmuseum-blog.com/100%e5%b9%b4%e5%89%8d%e3%81%ae%e3%83%89%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%80%8150%e5%b9%b4%e5%89%8d%e3%81%ae%e9%9f%b3%e6%a5%bd/trackback

Trackback

トラックバックはまだありません