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【レポート】2015年度春期服飾文化セミナー第2回講座終了

Knittingbird 田沼英治さんをお迎えした 2015年度春期服飾文化セミナー「ファッションの産地」、第2回講座「日本製ニットの未来とニットの可能性」を6月21日に開催しました。

 

田沼氏は、日本唯一のニット専門のウェブマガジン「Knittingbird」を主宰し、日本中のニットの工場を訪問し、ニットデザイナーとして様々なブランドのニットの製造・生産に携わり、ニットの可能性を広げる幅広い活動をされています。今回は、「糸一本からデザインするニットの可能性」「国内全体のわずか2%以下しか消費されていない日本製ニットの未来」をテーマに、ニットにまつわるお話を繰り広げ、当館ではもちろん恐らく業界でもめずらしいニットの現在と未来を考える時間となりました。

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「ニットは需要が多いけど、やる人がいないんです。」
徐々に加熱してくる田沼氏のニット談が印象的でした。

ニットを知り尽くした田沼氏からは、前半に『日本製ニットの現状』として「ニットとは?」「製造機器」「ニットにまつわる仕事」「国内ニット生産地」「ファクトリーブランド」「さまざまなニット製品」を、後半には『ニットの未来』として「ニット教育」「ニットの可能性」についてお話いただきました。

■「ニット」とは、大きさや素材に関係なく、ループを作り、そのループに次の糸を引っ掛けて連続してループを作り面を作成する構造で、いわゆる、セーターだけではなく、Tシャツや靴下なども含め、平たく言うと伸び縮みのあるもの。まず始めにニットの概念の幅広さを再確認しました。

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現在では衣料の域を超え、スニーカーや医療用具にまで用いられる幅広いニット製品を実物を元に紹介。

【レポート】2015年度春期服飾文化セミナー第2回講座終了

■ニットの産地としては、新潟、山形、山梨、それから7月にバスツアーで向かう大阪があがりました。産地の工場では代替わりもみられます。ですが、仕事がそんなに潤沢にないゆえに次世代に継がせたくない思いも混ざり合うといいます。どうしたら次世代に技術を継承できるのか、仕事として成り立たせられるのか。ニット業界をめぐる課題をうかがいました。

■とにかく「ニットの学校がない」「量産の機械が高く扱える施設が少ない」「指導できる人がいない」とのことで、教育現場が手薄だそう。伝える人がいないから、興味を持つ人が少ない、技術を取得する人が少ない。ニットをとりまく現状の所以が少し見えてきたようです。

■そんなニットをとりまく問題を様々な角度から直視する田沼氏の今後の仕事の課題とは、「ファッションだけでなく医療やプロダクトへの幅を広げる」「ニット業界に人をとりこむ」ことだそうで、デザイン会社Proefの一員としても活動を始められています。

 

ファッションを志し、真剣に向かいあっていると、
みえてくる産地が抱える問題が多々あることは否めないでしょう。

そういった地域や仕事を、時間と手間をおしげもなく費やして、探求し、発信する。
人に伝えて、なんとか新しいやり方を考える。

当講座の講師2名、宮浦氏、田沼氏に共通することは、
何かを犠牲にしているようにも映る一方で、
地域や仕事との出会いのプロセスにある時間や手間というのを、
チャンスととらえて楽しんでいるようにさえ映ることです。
(もちろん大変なことはあると思いますが・・)

いま若い世代に、
世の中を動かしえる希望ある活動をする方々がいることは、

それは繊維業界にとっては、希望の星であり、
将来きっと各方面から重宝されることでしょう。
今後彼らにもっと注目がいくことを期待したい。

そんな彼らとの出会いは、何よりも嬉しく、
今後も衣服を扱う美術館として大手を振って応援したい

歴史をみつめることが多い美術館で、またもや「ファッション」の「現在」と「これから」をみつめていく大切な時間となりました。

★会場で受け付けました質問については、Knittingbird Twitter および、神戸ファッション美術館ブログにて後日回答を公表させていただきます。

春期服飾文化セミナーの最後は、産地ガイド 田沼氏と行く泉州への産地バスツアーとなります!

また、ひきつづき、秋期も各地の産地をとりあげるべく企画中です◎
夏には発表予定ですので、ぜひ当館のブログやちらしをチェックいただけると幸いです◎

 

Knittingbird
http://knittingbird.com/

Proef
http://proefdesigns.com

□服飾文化セミナー「ファッションの産地」 詳細

■第1回講座「日本の産地とこれからのファッションデザイン」レポート

■第1回産地ツアー~播州・コットン編~ レポート  

 

 

文:nj
写真:kw

この記事のURL

http://fashionmuseum-blog.com/%e3%80%90%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%e3%80%912015%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e6%98%a5%e6%9c%9f%e6%9c%8d%e9%a3%be%e6%96%87%e5%8c%96%e3%82%bb%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%bc%e7%ac%ac%ef%bc%92%e5%9b%9e

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